古民家再生
RENOVATION
日本伝統技法による古民家再生工事
伝統的な古民家で、快適な暮らしを!
「古民家」とは、江戸・明治・大正・昭和時代に建築された歴史的建築物です。
ヨーロッパなどでは、古い家を改修しながら内装をリノベーションし住み続けるという文化がありますが、日本においては、残念ながらライフスタイルの大きな変化・税制優遇により新築戸建てが一般的となり、各地で日本伝統文化財というべき「古民家」が解体され失われつつあります。
建築から長い年月を経た古民家は「古民家再生=リノベーション」が必須です。
一般的な住宅とは違い、特殊な技法で建築された古民家をリノベーションするためには、 日本伝統建築の専門知識が必要であり、専門技術力を有した職人でしか対応する事ができません。 文化的価値のある古民家を次世代へ引継ぐためには、日本伝統建築の技術を持った職人の存在が必須なのです。
しかし、現在この日本伝統建築技術を持つ大工が激減しております。日本国内でも古民家再生を手掛けられる会社は非常に限られています。
弊社は古民家100棟以上の再生実績を持ち、これら大工のネットワークも保持していますので、お客様に様々なバリエーションの古民家再生をご提案する事ができます。
快適な田舎暮らしができる古民家再生
弊社の古民家再生の特徴は、古民家の伝統的な構造と景観を保ちながら、
水廻りや断熱などに最新の設備を取り入れ、快適な田舎暮らしを提供できる事です。
例えば…
古民家は土壁仕上げであることから隙間風が入り、断熱対応もしていないため、冬は大変寒いです。
弊社では天井・壁・床等に断熱材を組み込み、
冬でも快適な暖かな空間を提供致します。
また、古民家に付属する昔ながらのキッチンやお風呂やお手洗いは大変使いにくい設備です。
弊社では最新の水廻り設備を導入し、
暮らしやすい古民家へ変貌させる改装工事を提案しております。
更に、畳の敷かれた伝統的な部屋「和室」が現代の暮らしに合わない場合もありますので、
その場合は、大きく間取り変更をしたり、いくつかの和室は洋室へ変更したりすることもできます。
「田舎暮らしには憧れるけれど、不便そうだし、暮らしにくそう…」とご不安の方も多いかと思いますが、弊社が提案する快適さを基本とした古民家再生工事ではその心配はありません!
もちろん、昔ながらの古民家をそのままリメイクされたい方のご要望にも対応しております。
お客様のご希望に合ったカスタムリノベーションが弊社の特徴です。
主要な柱以外、天井や床や壁を取り払い、建物をスケルトン状態にする事で、お客様のご希望に沿った自由な古民家再生が行えます。
古民家再生工事は大掛かりなリノベーションになります。
壁や床や天井を取り払い、建物内部を完全にスケルトンにした後、古民家再生工事に着手します。
建物内をスケルトンにする事で、壁・天井・床に断熱材を入れ、複数和室を洋室の大広間にする等の大掛かりな間取り変更が可能になります。
実際の工事現場を見学頂く事も可能です。興味のある方は弊社までご連絡下さい。
稀に大掛かりな改装が不要な古民家もございます。その場合は水廻りの交換やクロスの張替など、必要な個所のみのリフォームですむ場合もございます。
弊社にて改装してから販売する古民家物件もございます。その場合お客様の希望に沿ったカスタムリノベーションとはなりませんが、
会員様限定で弊社改装前にご購入頂きご希望のカスタムリノベーションができるよう案内させて頂く事がございます。
大幅な間取り変更
複数の和室を、大きな一部屋のフローリングのリビングにするなど、元々の部屋構成を無視した大幅な間取り変更が可能です。
和室を洋室に
古民家の部屋はほとんどが和室のままですが、洋室へ作り替える事ができます。
キッチンを快適に新調
昔ながらの古い台所を、最新のキッチン設備に入れ替える事ができます。
お風呂・トイレ等の水廻りを快適に新調
昔ながらの古い水廻り設備を、最新設備に入れ替える事ができます。
断熱工事
昔ながらの建物である古民家は現代の断熱対策がされていないため、非常に寒い事で有名です。弊社ではスケルトンリノベーションの際に壁に断熱材を入れるなど、最新の断熱対策を致しますので、快適にお過ごし頂けます。
白蟻対策のリモナイト散布
古民家には必須の白蟻対策として、床下にリモナイトを散布しています。リモナイトは、九州・熊本の阿蘇山の噴火によりできた火口湖の堆積物で、JISの規格に基づき京都大学実験場等で行った実験でも白蟻忌避効果が実証されています。
耐震工事
古民家は現代の建物と造りが全く異なります。 そのため現在の耐震基準には当てはまらず、 耐震診断や補強には専門の知識と技術が必要です。弊社では、ご希望であれば古民家の耐震診断・耐震補強を承っております。
現代の建物に比べ防災の面では弱い古民家ですが、その中でも最大限の防災対策ができるよう、 専門知識を持ってしっかりと対応させて頂きます。※古い建物のため、現在の耐震基準には合致しませんのでご了承下さい。
目の前に田園風景が広がる古民家を、完全カスタムリノベーション。
吹き抜けと梁天井の広いリビングは、ご親族皆さんが集まる事のできる賑やかな空間となりました。
梁に取り付けたたくさんのライトで、夜のライトアップもとても綺麗です。
玄関の網代天井や、モダンな雰囲気の朱色の壁、取り寄せたアンティーク戸建具など、何度も打合せを重ね施主様のこだわりたっぷりの古民家再生です。
家裏から山の風景が一望できる風通しの良い古民家を、完全カスタムリノベーション。
太い柱や重要部分の柱はそのまま残し、室内の壁、床、天井を全て解体しスケルトン状態から改装を始めました。
キッチンやお風呂場などの水回りは最新の設備に入れ替え、快適に生活できる空間になっています。
間取りを大きく変更し、台所と横の和室の小部屋は、広い1部屋のLDKとなりました。
梁を出した天井デザインや、アンティーク建具で、レトロな雰囲気を演出しています。
京都府南丹市日吉町にてお客様にご購入頂いた、日本庭園に池のある古民家。
別荘、兼、VACATION&RENTALにされるために古民家再生予定です。工事の様子を随時ご報告致します。
大工の技術:
古民家は釘などを使わず、木材同士の組み合わせで建物を組み上げて行きます。
職人は木材同士をぴったり組み合わせるために、「のみ」や「かんな」といった伝統的な工具を駆使して木材を削ります。
少しのズレも許されない繊細な作業です。
現代の建築は、予め工場で木材がカットされ(プレカットと言います)、それを現場でプラモデルのように組み立てるだけであり
現場の職人に特別な技術は不要なため、こういった木材を作り上げる技術を持っていません。
左官の技術:
古民家の壁などを仕上げる職人「左官」は、専用の道具で壁を塗っています。
その日の気温や湿度に合わせて材料を配合する技術、道具で壁を平らに仕上げる技術は一朝一夕で獲得できるものではありません。
日本家屋から和室が減り、壁もクロスが多くなった現在、
一般的な若い左官屋さんは、壁を「塗る」という作業自体をあまり経験しなくなり、
古民家の特徴的な内装の聚楽、土壁、漆喰の経験はほとんどありません。
大工へインタビュー
日本伝統建築の技術がいかに素晴らしく、長年の経験によるものなのか、木材加工を行う大工のインタビューをご紹介します。
―どういった所に経験が活きますか?
天気や、木の乾き具合、その日の湿度、木の種類、木が新しいか古いかなどで、木材加工のやり方を調節します。
例えば、湿気がある日は削りやすかったり、新しい木と古い木では乾燥の具合が違うので感覚も異なります。
これは長年の経験で培われた「職人の勘」で判断しています。
―技術を獲得するには長い年月が必要ですが、どのくらいかかりますか?
古民家の状態は千差万別です。
技術を習得するだけではなく、どのようにすれば上手く行くか機転がきくようになるには、10年はかかります。
「このように加工して」と指示されて単純に加工するだけであればもっと短いかもしれませんが、それでは古民家全体の事は見えてきません。
―単純に加工する技術だけでは古民家再生はできない?
できません。基本的に、古民家の構造を把握していないといけない。
この木材をどこに使うのか、どの種類の木材のどの大きさが必要か、耐用年数は問題ないか、どの順番で木材を組み上げるか、
などの知識がないといけません。
現代のプレカット主流の建築手法を学んできた若い大工達のほとんどは、加工の技術もこういった知識も持っていません。
左官へインタビュー
続いて、古民家の壁塗りを行う、左官のインタビューをご紹介します。
―どういった所に経験が活きますか?
古民家の壁を伝統的な壁塗り素材で薄くムラなく塗る作業は、感覚頼りしかない。
使う材料によって粘りが違うと、コテを返す時の動作も異なりますし、広いところと狭い所を塗るのでも異なりますし、
材料によってかける圧力も異なります。
またその素材も、気候や壁の日当たり状況を見て、水との調合具合を変えなければならず、
色々な要素を合致させないと熟練工の技にはなりません。
―技術を獲得するには長い年月が必要ですが、どのくらいかかりますか?
仲間内で一番技術があるのが75歳の職人なのですが、16年修行した者でもまだ同じようにはできないくらいです。
日本伝統建築職人の激減の理由の一つは職人の高齢化と後継者不足です。
仲間内で最年少が60代といった事例が冗談ではない程、次世代への技術の継承ができていません。
技術の伝承には10年以上の大変長い時間がかかるからです。
そして最大の理由は、古民家自体の減少です。
丁寧にメンテナンスをすれば100年以上もつ古民家も、空家となり放置され最終的に取り壊される事例が相次いでいます。
欧米のように古いものを大切に長く使うのではなく、スクラップ&ビルドで現代風の新しい一軒家が次々と建てられる現状も相まって、
日本伝統建築職人たちの働く場がなくなっているのです。
古民家を取扱う弊社だからこそ、この現状を打破し、職人技術も次世代へ引継ぎたいと考えています。
そのために、これまでに様々な取組を行ってきました。
例えば…
日本国内だけでなく海外へ古民家販路を求めることで職人技術を普及させるため、アメリカシリコンバレーへ視察に出かけたり、
アメリカ在住の日本建築大工を日本へ招き、本場の古民家再生の技術研修を行いました。
例えば…
後継者への長期間の技術伝承を短縮するため、最新のITテクノロジー(モーションキャプチャ等)を活用し、 腕利き職人の技術(コツ)を可視化する実験を行いました。
そして、技術伝承の最大の方法は、ビジネスとして成立し弊社がより多くの古民家再生を手掛ける事だと考えております。
職人に現場を提供する事で仕事を増やし、職人育成の場とする事ができます。
弊社が古民家再生工事を依頼し続ける事により、職人が育ち、次世代へ技術が継承される、
このような好循環でもって技術を伝承させることが、事業を通じ弊社が果たす使命だと考えています。
弊社では様々な古民家を取り揃えております。