【古民家再生 02】
~ 亀岡盆地を一望できる特等席に、お茶室付の古民家を! ~
2019.5~2019.11
《 概要 》
所在地:京都府亀岡市千歳町
工事期間:約7ヶ月
東京より亀岡に移住
小高い丘の上にあり、家の前から亀岡盆地が180度見渡せる絶好のロケーション。
東京から移住頂いた施主のT様は茶道をたしなまれますので、今回はお茶室付きの古民家再生となりました。
メインギャラリー
Gallery
古民家再生 ビフォー→アフター
Before After
Before1
《建物外観》
壁は新しく塗り直しました。写真では分かりづらいですが、真っ白ではなく少し黄色がかった優しい色合いです。
真ん中の窓の下の木の引き戸は”にじり口”です。
After1
Before2
《キッチン&リビング1》
左の壁面には、亀岡盆地を遠くまで見渡せる小窓を作りました。
右奥の扉の向こうは、お風呂場です。
After2
Before3
《キッチン&リビング2》
広い和室をキッチン&リビングにリノベーション。左壁の欄間や、柱、正面の大きな窓の上の梁をデザインとして残し、古民家の風情を感じるアクセントになりました。
After3
Before4
《洋室》
元は台所があった部分は、用途を大きく変更し、洋室2部屋へ作り替えました。
After4
Before5
《お茶室》
玄関横の部屋をお茶室にリノベーション。窓の下にはにじり口もついています。
茶道をたしなまれる奥様がご近所の方にお茶をふるまわれたいと作られたお部屋です。
After5
Before6
《梁の天井》
天井の梁は黒く塗り、2階のゲストルームにデザインとして残しました。
After6
こだわりポイント&ギャラリー
Pick Up
再生古民家の外観
古風なお茶室のふすまを青白の格子模様にして、モダンな雰囲気もプラス
1階のお茶室
階段から2階の梁天井の部屋を見上げる
2階の梁天井
中2階のお部屋は、着物等の置場にされるそう
リビング。古い柱2本がお部屋のアクセントに。
キッチンです。古民家でも暮らしを快適にするため水回りは現代の新しいものにリフォームする場合が多いです。
お風呂です。快適な暮らしの為にお風呂も現代風のリフォーム。
リビングから見える欄間。洋風のお部屋ですが古民家の雰囲気を残しました。
リビングの小窓からの風景。亀岡盆地を広々見渡せるロケーションです。
周辺風景
Pick Up
今回の古民家再生現場は、小高い丘の上にポツンと建った一軒家でした。
当初は古民家の正面、崖側に木々が植わっていましたが、古民家再生にあたり全て切り払い、
亀岡盆地を一望できる素晴らしいロケーションになりました。
下記は家前から見える風景です。
田舎ならではの田園風景と広い空を楽しむ事ができます。
近所の田んぼ風景
家横から盆地を見下ろした風景
施主様&弊社コメント
Review
施主 T様
御主人:前から古民家に住みたいと思っていました。
日本建築の美しさ、生活スタイルもそれに合わせたスローな感じに憧れていたんです。
歳もとるので、使い勝手をよく、ストレスなく過ごせるような
リノベーションにしたいと思っていたんです。
私たちから間取りなどを提案して検討頂いたのですが、
古民家特有の様式や、構造上取れない柱と取れる柱があったりなど、
紆余曲折がありました。
元々の建物・間取りとうまく融合した物を作ろうと、
中川住研さんと何度もやり取りをしながら決めていきました。
奥様 :けっこう大変でしたね(笑)
間取りや、茶室を作るという特殊な所があったので、
主人が凄く勉強して、プランを色々考えて、ここまで辿り着きました。
御主人:古民家には「味」があるんです。
新築の家も綺麗で住みやすいですが、
古民家の魅力はお茶でいう「わびさび」の佇まいがありますね。
それは新築では出せない味だと思います。
ここも全て建て直すプランも検討したのですが、どうしてももったいなく感じて、
元々の古民家を活かしてあげたいと思いリフォームプランにしました。
実際そうして本当に良かったです。
T様インタビューはまだまだ続きます。詳しくは続きは
こちらのページより。
(株)中川住研 代表取締役 中川克之
T様がホームページから弊社にお問合せを頂いた時
ご成約頂いた物件を公開する前だったというタイミングでした。
唯一無二のロケーションに一目惚れ頂きお申込みを頂きました。
東京で持家の売却されてから購入希されることからスムーズに完結するか
心配しておりましたところ、即ご自宅の売却も決まり弊社が管理する
亀岡市の『お試し住宅』引っ越してこられました。
T様は茶道をされていらっしゃることから、建物内にお茶室と水屋を造ることが
今回の改装ポイントでしたので、間取決めからT様のご意向を反映できる
ことが出来ましたので、ご満足頂いたと思います。
工期:令和1年5月~令和1年11月
東京より亀岡に移住頂きました。
ご成約有難うございました。
【古民家再生工事の様子】
~ 亀岡盆地を一望できる特等席に、お茶室付の古民家を! ~
2019.11.08 new
2019年5月 上旬
― 古民家再生工事、スタート! ―
いよいよ古民家再生工事のスタートです。
まず最初に和尚さんに来て頂き、施主様と工事関係者で家の供養を行いました。
そして早速の古民家解体。
主要な柱等を残して、天井や床を躊躇なく解体してゆきます。
まずは古民家をスケルトン状態にし、そこから新たに創り変えるためです。
《家の供養》
和尚さんと家の供養を行いました。
《天井を落とす》
1階の天井を取り払い、屋根裏が丸見えに。
2019年5月 下旬
― 古民家、完全スケルトン状態に ―
天井を落とし、床や壁を取り払い、古民家が完全スケルトン状態に。
柱や、柱を支える石など、建物の構造が良く分かりますね。
古民家再生中のこのタイミングでしかこういった現場を見る事はできません。
別の現場ですが、某建築大学の学生さんに、スケルトン状態の古民家を見学頂いた事もありました。
さて、ここから施主様のご希望に合わせ、時には間取りも大きく変更して、再生工事を行います。
天井を落とした事で1階から丸見えになった屋根裏です。
真ん中の大きな柱にご注目下さい!この古民家の一番のチャームポイントは、この大黒柱なんです!
太い柱に四方八方から釘を使わず柱が組み込まれています。まさに日本伝統建築の職人技。
複雑な組み方ですがそれぞれぴったりとはめ込まれています。
《古民家の床下》
床下には柱と、柱を支える石があります。この絶妙なバランスで古民家の建物強度が保たれています。
《古民家の柱》
古民家を解体するとたくさんの柱が出てきます。
大きな柱や綺麗な柱など、特徴的なものは保管をしておいて、他の古民家再生のデザインに再利用する事もあります。
古建具同様、古いアンティークな雰囲気が家に彩りを与えてくれます。
2019年6月 上旬
― 床の木組みが始まりました ―
梅雨入り前の晴れの日!工事の進捗を確認しに現場に行って来ました。
古民家の前で打合せをする大工さん達。
そして、前回は完全スケルトン状態だった古民家内部がどう変化したのかと言いますと…。
床の木組みが進んでいます!
細い気が細かく格子状に組まれ、その上に足場としてベニヤ板があちらこちらに置かれています。
床下はすっかり隠れてしまいました。
木組みの上を歩いて見て回り打合せをするのですが、足を踏み外すとさぁ大変…。
若干アスレチック気分で写真を撮っていました(汗 by 撮影スタッフ
床が再建される一方、天井はと言いますと、まだ手付かずの状態です!
1階から上を見上げると立派な木の梁が組まれた迫力の天井裏を見る事ができます。
年季を感じる木の風合いに、複雑に組まれた構造…いつまで見ていても飽きません。
写真上の方に蜂の巣が見えますね。天井裏に巣くっていたようです。
ちょうど通風孔の真ん前でした。巧い事場所を探すものですね…アッパレ、蜂。
2019年6月 下旬
― リモナイト ―
床の木組みの下に、茶色の土がまかれているのが見えますでしょうか?
これは九州・熊本の阿蘇山の噴火によりできた火口湖から採取した「リモナイト」です。
古民家での心配事の一つにシロアリ被害がありますが、この「リモナイト」にはシロアリ忌避があります。
弊社では、古民家再生時に、どのお客様にも無料でシロアリ対策の「リモナイト」を使わせて頂きます。
→
リモナイトについて詳しくはこちら
「リモナイト」も撒き終え、床下の準備も着々と進んでいます。
2019年7月 上旬
― 部屋の形が見えてきました ―
壁部分に木組みが入り、何もなかった空間から部屋の姿がおぼろげに見えてきました。
1階の一部にも天井が入りました。
部屋の区割りがまだ分からなかった前回から今回まで、約20日間。
2019年7月 下旬
― 大きな梁を間近で…屋根裏工事 ―
屋根裏の工事状況です。
間近で見ると、ますます大きく迫力のある梁。
このまま屋根裏部屋として使いたいような雰囲気です。
この古民家再生の大きなポイントである「お茶室」!
床と壁が入り、部屋らしくなってきました。
にじり口はまだできていませんが、大きな窓の右下に作る予定です。
こちらは1階で一番大きな部屋です。
元々ある柱を利用しながら、新しい木材で強度不足の所の補強もしています。
元々の柱は真っすぐのものだけではなく、歪んでいたり、大きく曲がったものも使われています。
ですがその曲がった柱がぴったり組み合わせられ、きちんと建物に仕上がっているのです。
現場の大工さん曰く…
「昔の大工さんはこの曲がった柱を設計図もなしに経験と勘で組んでいたなんて…凄い」との事。
2019年9月
― お客様現場打合せ ―
スケルトンにした建物に木組みが入り、一部は壁部分も出来上がってきました。
本日は古民家再生の現場にて、お客様と打合せです。
実際に現場を見ながら、クロスをどうするのかなど、サンプルを広げながら仕様を決定します。
やはり実際に現場を見て、そのスケール感を感じながらでないとイメージが湧きませんので、完成までに何度か現場打合せを行います。
《現場打合せ》
大工さんとサンプルを広げながら部屋に合う素材を相談しています。
《現場打合せ》
お茶室の打合せ。
《お茶室》
お茶室に”にじり口”ができました!
《部屋》
フローリングの施工途中です。
大分部屋らしくなってきました。
2019年10月
― 2階の梁天井 ―
天井が入り、1階と2階の部屋が形作られてきました。
写真は2階の梁天井です。来客があった時にお客様に泊まって頂くお部屋です。
《キッチン》
広い空間にキッチン周りの設備が入りました。前回柱だけだった部分にも壁が入り、いっそう部屋らしくなってきました。
《外壁》
左官職人さんが外壁工事にとりかかっています。
【New】 2019年11月 前半
― 古民家外観が完成間近 ―
外観を覆っていた足場が外れ、完成へと近づいてきました。
壁面の色は真っ白ではなく、少し黄味がかったクリーム色の優しい色合いです。
《にじり口》
1階のお茶室の「にじり口」、外からもはっきりわかるようになりました。
《室内クロス》
1階の天井や壁面のクロス貼りが進んでいます。